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世界一臆病な旅人

世界中の人のストーリーを知る旅に出る

『君の名は。』の萌えポイント分析(ネタバレ注意)

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良かった話は分析すべし

原作者を目指している者としていい作品の分析はすべぇぇぇし!!!
ということで、『君の名は。』は何のテーマを持ってして私の心を鷲掴みしているのかについて。



*夢

夢っていうものの儚さ。ほんとは自分にとってほんとに大切なものだったのかもしれないのに、それはどんどん薄れていく。夢はもちろんそうだし、記憶もそう。

記憶っていうのはほんとに曖昧で。本当に大切なこととか、絶対忘れたくないってものも、怖いくらいに時間は奪い取っていく。あんなに大切だったのに、忘れたくなかったのに、どんどん薄れてく。忘れちゃう。『君の名は。』一番のテーマはまさにこれだったんだよね。

夢とか記憶とかが薄れちゃうのはどうしようもできなくて仕方のないことなんだけど、でもそれは薄れてはいるけど、なにか核の部分は完全にその人の中に残ってて、何かが大事だったはずなんだっていう手がかりみたいなものへと変わる。

どうせなら全部忘れちゃうか、全部残っちゃうかにしてくれれば楽なのに。

あの人のこと全部忘れちゃってんのに、ふとした状況で思い出したり、ふとした匂いで思い出したり、核の部分が心にツンツンツンツンと「それ重要なことだよ。あなたにとってすげえ大切なことだったんだよ」ってちょっかい出してくるから、それが面倒臭い…。でもそれが人生で一番美しいものだったりするからこわい。そしてその切なさ何より尊い。


最後とかは瀧くんも三葉もお互いのこと忘れちゃってて、何忘れてるかさえわかんないのにその何かしらの感情がツンツンツンツン「大切なこと忘れてるよ」ってずっと伝えつづけちゃってんだよね。これって物語の世界じゃなくて、現実世界にもよくあることだと思います。何か大切だったもの忘れてるなあって。何か物足りない気分と感じてしまうことってありますよね。


ポイント:伝えたいテーマは何度でも何度でも作品の中に出す。あらゆる角度から出す。なんなら何回も人物に叫ばせる。←ここで結構感情が揺さぶられる。テーマはなんとなく「切ない」ほうがいい。「切ない」んだけど、そこから何か希望も見出せるといい。←ここが萌え



*彗星

最初彗星の絵がとてつもなくキレーーーーイとか思って、わー彗星のときに入れ替わっちゃうのね〜とかただ思ってたんだけど、彗星の一部が隕石として落ちてきて、その人死んじゃうとかマジかいいぃぃぃぃ!?って思った。

実際、その彗星が落ちちゃって大災害になってしまうっていうのはお話の後半でやっと出てくることになってて、「あ、話のメインはこっちだったのね?」ってなった。なんか RPGみたいな話の流れやな〜って思った。

萌えポイント的には本当は三葉は死んでて、その死んでたってことがどうしても受け止められないっていう男の心の葛藤が見えるところがすごく萌え。実際、三葉が死んでたってことも、何しに三葉の場所まで来たのかってことも忘れそうになっちゃうんだけど、それでも自分の中での疑問を解決しようと必死になる。まじでここらへん切なくてサイコーっす。
てか好きになった人が本当は死んでたとかベタだけど、感情くすぐられる。だってどう足掻いてみたって悲しいし、切ない。でも今回はその悲しさが全くメインでなかったってとこもよかった。


とにもかくにも、彗星はとても印象強くキレイにプラスなものとして描かれることから始まるんだけど、実は波乱を巻き起こすマイナスのものであったというところがとてもうまく作られているところではないかと思う。


ポイント:大きな出来事を引き起こしちゃう原因を物語の最初から出しておく(それをプラスに描いておく)。そしてストーリー中盤の「転」の部分で、実はそのプラスに描かれていた要素が波乱を巻き起こすものであったことをバラす。



*黄昏時

今はあまり使わないが、日本の文化に浸透しているいわば少し不思議な言い伝え、またこの不思議なことが起きる時間帯を物語に活用していくという私たちの萌えゴコロをくすぐるものとなっている。
それもwikiを見てみると

夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味である。この風習は広く日本で行われた。

という『君の名は』というテーマに完全にマッチしている。なんということだ。なんということだ。完璧じゃないか。



こういう日本の昔からの言い伝えとかは基本萌えゴコロをくすぐることが多い。日本のこういう文化が私は大好きだ。だって萌えるんだもん。最高。このようにテーマとマッチする「黄昏時」のような要素を作品の中にたくさん散りばめていくというテクニックが重要。


使い方として、私たちがなんとなくいいなと思っている時間帯をここぞという時に使うためには、前のシーンで黄昏時について「どのような時間帯なのか」見ている私たちに伝えなければいけない。
今回はオーソドックスに国語の授業の中で「黄昏時」について先生が解説していた。事前にこんな感じで黄昏時のことを私たちの頭の中にちょいと入れておいて、ココというところで黄昏時のシーンを使う。「あー!!黄昏時だから!?」となる。うん、うまいね?!



ポイント:テーマとマッチする要素(日本の文化に根差したものは萌え)を探して、盛り込む, その要素をいいタイミングで使いたいのなら先にチョイ出ししておく



*紐

三葉の家に代々伝わる紐は、最初から最後まで一貫してキーポイントになる。キーポイントになるからこそ、最初髪の毛を紐で縛るところは印象的に仕上げている。そして三葉が髪を切ったとき、見ている人は「へ〜髪切ったんだ〜」としか思わなかったが、後からのシーンで実はその紐を瀧くんに渡していたことがわかる。紐を瀧くんに渡したから、その紐を使わない=髪を切った んだよね。

何が萌えかというと

「いつの間にか持っている赤い紐なんだけど、大事にしてしまっている瀧くん」
「大事にしているのに、いつどこで誰にもらったかを覚えていない」

というところの萌えがあります。なんでなのかわかんないけど、大切にしてしまっているというような無意識レベルの感情を表現されるとどうしてもコリコリと心に跡を残されてしまう感じに切ない〜

そしてその紐はただの紐なのではなくて、三葉の家に代々伝わるとても意味のあるもの。人と人が繋がっているということを暗に表現しているものとして紐は使われているんですな。紐ってそういうものだよね。赤い糸ってよくいうもんね。


ポイント:物語の中で一つはメインになる「物」がでてくる。今回は「紐」。人物同士の関係の中にそのメインとなる「物」を絡めて、最後にそのメインの「物」にはそういう意味があったのか〜という伏線回収をする。





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なるほどね…

いつも思うことだけど、「物」とか「噂」とか「現象」とかをうまく使えなきゃ物語に深みは全くでてこない。物語にキャラの個性が大事なのはよく言われていることだけど、私が尊敬する作品はすべて「物」とか「現象」をうまく織り交ぜながら作っている。その点が作品としての深みを出していると思う。


うーん。とにかく『君の名は。』は最高であった。あと2回は見る。




おわり





是非なにかコメントありましたら、ください!
ワーホリしてる人、旅好きな人、まんが好きな人、ぐーたらしてる人とかエトセトラ
よろしくお願いします
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